皆さんはいつもラウンドを楽しんでいるコースが、どのように整備されているかご存じですか?
今日は、丘の公園のグリーンキーパーである山縣さんに、普段なかなか一般のゴルファーが見ることのない、カップの切り方を見せて頂きました。
まず、カップ切りを行うための道具一式を準備。カップ切りを穴を掘りたい場所に置き、ハンドルを回しながら芝を切っていきます。
カップ切りを垂直に入れるのも、なかなか難しく、かなりの技を要します。
カップ切りを、中に入った芝や土とともに静かに引き抜きます。
そしてもう一度、カップ切りを穴に差し込み、さらに中の土を抜きます。(二度抜き)
前日までのホールからカップを抜き取り、
今切ったホールの中にカップを埋め込み、縁をきれいにならします。
カップ切りの中の土は、バケツによけておきます。
次に、前に空いていたカップを埋める作業をします。グリーンには、表面の芝の部分とその下の土の部分があります。長い時間の経過とともに、下の土の部分は劣化して、雑菌などが繁殖しやすくなります。そこで、先ほど掘り出した土に新たに焼き砂(殺菌の為に熱処理をした砂)を混ぜて、よい土を作ります。
中に入っていたカップを取り出した後の古いホールに、芝を埋め戻した時にちょうど平らになるような深さまで、その土を埋め戻します。こちらは、カップを切るよりも大変な神経を使う作業です。埋め戻した跡が出来るだけ残らないよう、埋めた芝が枯れてしまったりすることが無いよう、細心の注意が必要です。
カップ周りがいたまないように、整えます。
また、芝生の根がどこまで伸びているかなど、グリーンキーパーのプロフェッショナルな気配りも感じました。
切り取った芝の裏側の根を少し切ってきれいにし、埋めた土の上に載せます。
プレーヤーのボールが古いカップ跡の上を通過するときに跳ねないようにしたいという心遣いから、周囲を何度も確認して手でなでたり抑えたりして平らにしていきます。
埋め戻した芝生を上から押さえて回りと段差が出来ないようにして、さらに芝生に丸い後が残らないように周りを馴染ませます。
―ココが一番気を使うところです―
見事にカップの切り替えが出来上がりました。
プレーヤーはいつも、コースの状態を良好に保つ努力がどのように払われているか、殆ど気付かずにプレーしていますね。これから順次、コース管理の仕事をご紹介していきますので、プレーしながら「あ、ここは上手に刈ってあるな」とか「ここは大変だったろうな」とか考えながらコースを楽しんでください。
岩原 勇